お客様は神様と思って接する
手違いでお客様が怒ってしまった
喪中ハガキと年賀状
先日、私の会社で起こったこと。私の会社は印刷会社で、この時期は喪中ハガキと年賀状で結構忙しい。
事前に喪中と年賀状のチラシを撒いた。あるお客が年賀状のチラシについている原稿用紙のFAXを送ってきたらしい。
電話で話したところ、数日後には出来るので来社するとのことだった。
お客様が来社すると
そのお客様はすぐに来た。しかし怒って帰ってしまった。頼んだのは喪中ハガキなのに年賀状だったらしい。
すぐに作り直して持ってきてほしい、とかなり怒り心頭だったようだ。
事務の人に聞くと、原稿用紙が年賀状で、電話でも年賀状と聞いていたというのだ。事務の人はこのような受け答えは百戦錬磨。これまでもこのような間違いは無い。
おそらくお客様が間違えた
高確率でお客様が間違えて注文したと思われる。来社したのは女性の方で、相当怒っていたようだ。
しかしお客様はお客様、小さな会社では一人一人の収益は多かろうが少なかろうが大切な存在だ。
私が届けることになった
喪中ハガキが出来た
事務の人にお願いをされた。怒っていてこわいから私に届けてほしいと。こういう時は女性同士よりも男性の方がいいとか言われたが、そうなのか?
名前を見ると、私の知っている方だった。旦那さんはとても人が良く、何度か話したことがある。しかし奥様は会ったことがない。まあどこの家でも強いのは奥様だ。私の家でも同じこと。
もしガミガミ言われそうだったら「いつも旦那さんにはお世話になっています」と言う切り札を出そうと思って、お客様の家に着いた。
低姿勢で
あいさつすると娘さんと思われる方が出てきた。喪中ハガキを持ってきたことを伝えると、奥から本丸が登場!
「すみません、ウチの方で手違いがあったみたいで面倒をかけてしまい申し訳ありませんでした」と言った。
奥様は笑顔がないが「いえいえ、わざわざ持ってきてくれてありがとうございます」と言った。
申し訳ありませんでした、をその後2回くらい言ったと思う。そしてやんわりとだが「もう少しそちらから詳しく説明があっても良かったかもね」とチクリと一言。
やはり自分は間違ってはいないと言いたげだが、低姿勢を貫いた。そしてもう一度申し訳ありませんでした、と言った。するとやっと少し笑って「来年は年賀状頼むからね」と言ってくれた。嬉しい気持ちになった。
もしかしたらこのお客様も、自分も間違いがあったかもと思ったのか。しかしお客である以上間違いを認めたくないのか。それはわからない。
お客様は神様と思って接する
引けるところは引く
今回は年賀状の印刷代とハガキ代が損害だ。しかし長い目で見れば微々たるもの。信用を失ってお客様が減ることの方がこわい。
下手すれば近所中に会社の悪評が回ってしまう。そんなことになるなら会社を代表して謝ることなどたやすいことだ。この方も話のわかるお客様で良かったと思う。
金を払う以上多少のわがままは通用する
ある漫画で「店で一番偉いのは客」と言っていたシーンを思い出した。お金を払う以上、多少のわがままは仕方がないということだ。
逆の立場で考える。私がコンビニで注文した食べ物が間違っていて、後から苦情を言ったとする。その時に店員が「お客様がお間違えになられたのでは」なんて言われたら腹立たしく思う。こんな店にはもう来ないと思うかもしれない。
もちろん何万円も損害が出る話なら別だろうが、今回の件は、こちらが謝ることにより、お互いに嫌な思いもせず、これからのお付き合いも続くことになった。結果的に良いことだ。ウチの会社にとっては大事なお客様だ。
誰にでも間違いはある。間違わない人はいないだろう。ちょっとした配慮で事が円満解決する。私も勉強になった。