夜の爪切り
ふと手を眺めると、いつのまにか爪が伸びている。そういえばこの間爪を切ったのはいつだっけ。
不思議と日中はなかなか気がつかない。女性の方や身の回りを常に気にしている方ならば定期的に爪の伸び具合を気にするのだろうか?
私は47歳の「オジさん」。普段からあまり爪のチェックなどしない方である。
一日の仕事が終わり、家に帰りくつろいでいると爪が伸びているのに気づく。
スマホでYouTubeなど見ていると、爪が伸びていると細かいところで爪が邪魔になる。
ならば爪を切ってしまえばいいのだが、子どもの頃から親に言われていた「夜の爪切りは世を詰めるからやめておけ」という言葉を思い出す。
はっきり言って迷信なのだが、子どもの頃にやってはいけないと言われると、大人になっても夜の爪切りはなかなか出来ない。
明日の朝に切ろうと思っていても、なぜか忘れることが多い。仕事前のドタバタでつい忘れてしまう。
子どもや妻は夜に平気で風呂上がりに爪を切っている。そうだよ、昔の人は行儀が悪いということで「世を詰める(夜爪 よつめ)」の語呂合わせで迷信を作り出したんだよ。
そうは思っても今まで守ってきたことを破る勇気が出ない。何か悪いことが起きてしまうのではないかと余計な心配をしてしまう。
まあそれを子どもに押し付ける気はない。令和の時代を生きていく子どもたちに古い迷信は似合わない。
迷信は迷信。科学が発達しまくっている現代において気にすることはないのだが、おそらく私はこの世を去るまで夜に爪を切ることはないだろうなと思った。