PTA広報紙 特集記事について (PTA広報紙を作ってみよう! 2)
特集ページについて
世の中にはさまざまなPTA広報紙が存在します。カラー、白黒、2色刷りなどがあります。それぞれの学校でそれぞれの進め方があると思います。
しかし、なかなかないのが「PTA独自の特集企画」です。学校によって年に1〜3回の発行があるPTA広報紙ですが、多くは運動会や学習発表会、文化祭を写真と子どもの作文で埋めてしまっているのではないでしょうか?
私が以前DTP部門にいた時、会社周辺の学校からPTA広報紙作成の依頼があり作成していましたが、全部の広報紙がこの「学校行事に関して子どもの作文」で埋められていました。
学校ごとの特色もまったくなく、広報紙のタイトルが違うだけのものばかりでした。
先生が会社に来て、ページ構成の話をして、言われた通りに作成します。たいがい前年度の広報紙を持参して、このようにお願いしますと言われます。
印刷屋さんも仕事をいくつか抱えていますから、特定の学校だけ力を入れることはしません。「去年のままでいいんだな」となり作成します。前回までのデータは全て残ってますから、その雛形に新しい写真と文字を入れていくだけです。
K町の広報紙に驚いた
「PTA広報紙を楽しんで作ろう 1」に書きましたが、福島県K町の広報紙が、ある時ガラッと変わりました。それまでは特色もない広報紙でしたが、これが広報紙なの?と驚きました。
町の広報紙というと、お固いイメージしかなかったのですが、美しいデザインや特集企画など、全てが斬新に見えて、「読みたくなる広報紙」でした。
自分の子どもの学校のPTA広報紙も「読みたくなる広報紙」にしてみよう!私がPTA広報紙に力を入れるきっかけとなった出来事です。
学校行事中心の広報紙になりがち
どこの学校も毎年役員が決められて、前年度の広報紙を参考にして今年度の広報紙が作られていくと思います。確かにいきなり広報委員になって、今年はすばらしい広報紙を作りたいといっても「誰がやるの?」「どうやってやるの?」となり、「無難に今まで通りやりましょう」となる確率が高いです。
そうなると一番楽なのは、学校行事を題材に子どもたちの活躍する写真を掲載し、その学校行事に対しての子どもたちや保護者の意見を作文とし、ページを埋めるのが手っ取り早いです。
しかし、学校や保護者にいろいろな働きかけが許される、唯一の委員会が広報委員会です。会員の意見をまとめて一つの世論を形成でき、PTAの未来を明るくすることが出来る。その記事をまとめたものが「PTA広報紙」です。
自分の意思とは関係なく広報委員になってしまった方も多くおられると思いますが、自分の考えを委員会で発言し、学校やPTAの問題点などを記事にして会員へ提起する。面白いですよね?
そのようなことが出来るPTA広報紙です。学校行事だけでページを埋めてしまうのはとてももったいないことだと思います。
ぜひ企画物を入れてみよう!
せっかく広報委員になったのだから、ありきたりの広報紙を作るより、オリジナル性の強い広報紙を作ってみましょう。
じゃあ何をすればいいの?となりますが、落ち着いて周りを見渡せば、ネタ元はたくさんあります。
具体的には
まず子どもたち。子どもたちが今、何に興味を持っているか、何を考えているか。アンケートですね。例えばゲームは1日何時間するのか、友だちと普段話す内容は何か?などのアンケート結果はとても面白いです。
自分の子ども時代とは明らかに違う環境に育っている今の子どもたち。意外な回答もたまに出るし、集計していても楽しいです。
ちょっと敷居が高くなるかもしれませんが、学校以外の場所へ取材に行く。私が行った取材に、給食センター特集がありました。子どもたちが毎日学校で食べる給食が作られていく過程の記事は、保護者なら興味を持つと思います。
学校行事の紹介だけでは、「学校新聞・学校だより」であって、「PTA広報紙」ではありません。PTAの意見・考え・思いが入るからこそ「PTA広報紙」だと思います。
特集記事を作ってみる
例:平成28年度i中学校第2号「おいしい給食ができるまで」
給食センターは、普段子どもたちがお世話になっているとても身近な施設です。私の作成した広報紙では、平成25年度にO小学校で、28年度にi中学校でご協力をいただきました。
いかに安全・安心な給食を作るために、センターの方々が努力しているか。それから子どもたちがセンターの方々にどんなことを考えているか。これを特集記事にすれば面白い!と思い、企画しました。
まず生徒たちにアンケートをとる
給食センターに取材に行く前に、生徒たちに給食についてのアンケートを実施しました。
- 給食で好きなメニューは何ですか?3つまで教えてください。
- 給食で今後食べてみたいメニューは何ですか?3つまで教えてください。
- 給食センターの方々に感謝のことば、聞きたいことがあれば教えてください。
以上のアンケートを行いました。
そして給食委員長のT・Mさんに代表で給食センターの方々にお礼の言葉を書いてもらいました。
作成してみる
まず、おおまかなレイアウトを決めます。
次に、何時何分、何の作業をしたか?を表すために、カットを自作します。
スタートがわかるように字を打ちます。少し傾けると動きが出ますね。
次に写真と記事を入れていきます。
この調子で次々と。
重要なポイントを時々入れると、メリハリがつきます。この給食センターでは必ず放射性物質検査を行うので、ここを読者に注意して読んでほしいと思いました。
作業工程の合間に給食センターの方々の写真を入れました。
まず建物の写真を配置。
次に切り抜いたセンターの方々の写真を配置。
最後にメッセージなどを入れる。
ここまで出来ました!
次に他の部分のレイアウトを決める。
イラストレーターにメインの写真を配置。
文字を打ち込む。
左上に別の写真を配置。
フォトショップへコピペ。
写真、文字に影を入れると立体的に見える。
フォトショのデータをイラストレーターに配置する。
食材の写真をフォトショで切り抜き配置。記事本文を打ち込む。
アンケート、生徒の写真と作文を入れる。
センターの栄養士さんの写真とメッセージを入れて完成。
終わりに
特集記事があるだけで、読む楽しさは格段に上がる
学校行事だけを紹介するより、テーマは何でもいいから特集記事を入れれば、広報紙の楽しさは格段に上がります。
デザイン性にこだわる必要はありません。大事なのは、「中身」です。もちろんデザインも凝っていればなお良し、ですが、特集記事の内容が優れていれば読者はちゃんと読んでくれます。大事な子どもの通っている学校の特集記事なのですから。
どんどん意見を出し合う委員会にしよう!
いろいろな意見が出なければ良い広報紙は作成できません。どんな些細なことでもいいんです。普段保護者として知りたいこと、子どもたちは学校でどんな生活を送っているんだろうなど、どんどん話し合っていきましょう。そうすれば自然と楽しい広報紙が出来るはずです。
全国の広報委員会の皆さん、お互いに頑張りましょう!
次回は「先生紹介」などを考えていきたいと思います。