PTAの存在意義
PTAっていらないの?
私が所属していた小学校のPTA
私が昨年度まで所属していた小学校のPTAでは、児童数が少ないこともあり、保護者は全員毎年必ず役員になる。子どもが1年生の時から、どこかの専門委員会に入る決まりがある。専門委員会は4つある。
厚生委員会。運動会のお手伝いと、市連合PTA・地区連合PTAの球技大会のお手伝い。そして2年に1度行われる親子キャンプを主催する。この委員会に入ると、球技大会の選手要員候補になる。ソフトボールとバレーボールの好きな人にはいいかもしれない。
環境委員会。ここは年2回の奉仕作業(草刈り)と年3回の資源回収がメインのお仕事。卒業生は保護者と一緒に校舎の窓ふきもある。草刈りはダラダラやっても構わないが、資源回収は結構キツイ。雑誌類やビンなどを運ぶ。夏場は汗が止まらない。
校外指導委員会。ここは月1回の登校指導で、朝の登校時に旗を持って子どもを見守る。祭礼の時は見回り。地区の危険箇所の報告など。まあまあ忙しい。
教養広報委員会。PTA広報紙作成と、学校で行われる保健指導や講演会のお手伝い。広報紙作成が大変。
以上4つの委員会に毎年所属するようになっている。(毎年変更も可能。)それが当たり前になっているので、皆さん特にグチなどは言わない。たまにはいる。「大変だ〜面倒だ〜」と言う人がごくわずかいる。でも少ないPTA会員の学校なので、みんな仲がいい。大変でも会員どうしでおしゃべりなどして過ごすので、それほど苦痛にはならないようだ。
祖父母と同居、または2世帯住宅が多いのも特徴だ。PTAの集まりがある時は、安心して祖父母に子どもを預けられる。球技大会の練習も出かけられる。ストレス発散にもなるし(^^)
4つの専門委員会の委員長さんは役員会に出席する。
本部役員
皆さんそういうわけで毎年役員なのだが、一つだけ問題がある。本部役員。
この学校の本部役員は、
- 会長 1名
- 副会長 3名
- 庶務 1名
- 会計 1名 がいる。
平成25年の3月に、なかなか次期会長が決まらなかった。当時私は広報委員長(25年度4月より教養と広報が合併、教養広報委員会となる)で、役員会のたびに会長が決まらない、困ったという話が出ていた。
それならば私がやりましょうか?となり、私が会長に内定した。そして毎年会長を決めるのが大変ということで、当時の本部役員が案を出した。
- 会長は6年生の保護者から
- 副会長は4・5・6年生の保護者から1名ずつ
- 庶務は3年生の保護者から
- 会計は2年生の保護者から
(学年は次年度の学年。例えば会長は5年生のうちに決める)これならば該当する学年の保護者の話し合いで、誰かは本部役員になってくれるだろうと苦肉の策。
PTA総会で承認され、この項目が規約に載った。
当時、役員の皆さんが、次の会長決めに苦慮している話は聞いていた。なかなか決まらないので、役員が何人か集まって候補の人の家まで出向いてお願いするとかしていたようだ。
確かにこの方法なら現役員の新役員決めの負担は少なくなる。しかし該当する学年の親は大変だ。
親どうしの駆け引き
ところがである。この規約があるならば、親どうしの「駆け引き」が出てくる。子どもが低学年のうちに庶務や会計など比較的仕事の少ない役員を狙ってくる。一回本部をやったので、あとはやらなくてもいいでしょ、みたいな。
とはいえ、児童数の減少に伴い、ここ数年の入学児童は最低で4人、多くて8人くらいである。学年によっては2回本部役員を務めなくてはならない。
この小学校の庶務の仕事は、役員会の司会進行だけ。資料作成は教頭先生が作る。会計は、はっきり言って仕事がない。学校事務の先生が全部会計の仕事をやってしまう。会計監査は会長と一緒にやるが、ただ見てるだけである。
副会長になると連合PTAの集まりなどに行くことがあるが、それも3人もいるので手分けして1人年に1回くらい。あとは入学式や卒業式などには来賓としてお呼ばれする。
大変なのはやはり会長だ。入学式・卒業式の祝辞や連合PTAの役員、役員会の進行など忙しい。
皆さん会長だけは避けたいようだ。なので子どもが4年生くらいになると保護者どうしの打ち合わせが始まる。「誰が会長をやるか」である。「○○さんは上の子の時庶務だったから今度は会長やって」とか「ウチは上の子の時副会長だったから会長はちょっと…」など。
いろいろな駆け引きが行われるが、最後は必ず新会長が誕生する。しかし会長は誰でもいいというわけにはいかない。
人と話すのが苦手な人や行動が無責任な人は無理だ。特別秀でた才能などは全くいらないが、一番大事なのは真面目な人でなければならない。
とにかくここ数年は私以外(^。^)みんななるべき人が会長になっている。皆さん私以外(^^)とても頼もしい会長さんたちだ。
以上の内容が、私の所属していた小学校の役員決めのルール。賛否両論あるとは思うが、PTAには全員入会する。
PTAのありがたみ
会員数が少ないから、自分だけ入会しないと浮いてしまうから、ということもあるかもしれない。しかしPTA活動を見ていると、みんな楽しそうに活動をしている。
最近ネットやSNSなどを見ていると、PTA不要論の方が非常に多い。しかし私の地域ではこういう意見はほとんどない。
会員の皆さんの約半数以上は昔からこの地区に住んでいて、子どもの時にPTA役員だった方々に大変お世話になっていることをわかっている。運動会の時だって、先生だけではなく誰かの親が一生懸命運動会のお手伝いをしていた。運動会が終われば、地区ごとに反省会といって保護者たちが作ってくれた豚汁やおにぎりを食べた。時には先生たちも駆けつけて、大人たちはみんな仲良く酒を飲んでいた。
子どもの時に、親が先生たちと協力して自分たちのために一生懸命になっているのを見ている。子どもにPTAの意義などわからない。しかし、大きな輪になって見守ってくれていたのをわかっている。
地方の小さな地域だからこそ、地域の学校を大切にしようという気持ちが大きいのだろうと思う。
そんな環境で育てば、自分が大人になって子どもが学校に行くとなれば、PTAの大切さがわかるのだと思う。自分の親がやってくれたのに、自分は関係ないというのはどうもおかしい。
PTAとは何のために存在するのか。子どものためである。一生の思い出に残る小中学校、高校時代を楽しく過ごす。その手助けをするのがPTAの役割だと思う。
確かに親の立場で考えれば面倒なことは多い。忙しい毎日の生活でPTA活動に参加するのは大変だ。昔と今は違うこともあるだろう。しかし昔はコンピュータはなかった。どんな仕事も人間の努力によって社会は動いていた。私たちの親は、私たちの何倍も大変だったはずだ。
それでも私たちの親は楽しんでPTA活動をしていた。いや、もしかしたらPTAいらない、なんて言っていた人もいたのかもしれない。でも親たちはいつも楽しそうに見えた。自分の担任の先生と親が仲良くおしゃべりするのを見ると妙に嬉しかった。学校と保護者が一つになっていた。
PTAは必要な組織だと私は思う
自分の大切な子どもが通う学校を、保護者や地域が支えてこそ子どもは楽しい少年時代を過ごせる。学校だけに責任を押し付けてはいけない。学校は勉強をするだけではなく、人間性を成長させる場でもある。保護者も学校と一緒になって子どもの成長を見守ることは大切なことだ。
PTAは、保護者として、教師として、子どもの成長を見守り、子どもが安心して通える学校を作るために必要な組織であると思う。