北斗の拳の大好きなワンシーン
私が小6の時に連載が始まった北斗の拳
第1話はやはり印象的
昭和58年、私は小学校6年生だった。その時の流行り物の一つに「週間少年ジャンプ」がある。
当時ジャンプには、今もなお人気を誇るマンガが多数連載されていた。まさにジャンプの黄金時代と言っていい。
北斗の拳、Dr.スランプ、キャッツアイ、キン肉マン、3年奇面組、ウイングマンなど、後にテレビアニメ化された作品が多数載っていた。そしてなんと言っても「こち亀」は忘れてはいけない。
アニメ化されなくても、ブラックエンジェルズ、シェイプアップ乱など、とても読み応えのあるマンガがズラリと並んでいた。
北斗の拳がリアルに感じた
もともと、ジャンプは兄が買い始めた。私が小1の時だ。さまざまな名作が連載されていたが、6年生の時に「北斗の拳」の連載が始まった時は衝撃的だった。
「199X年、世界は核の炎に包まれた」この言葉はリアルに感じた。それは当時「ノストラダムスの大予言」があったからだ。
この大予言は、1999年にこの世が終わるというもので、当時小学生だった私にはとても怖い話だった。それまでの予言が全て的中し、1999年には何かが起こると思っていた。
大災害が起こるのか?核戦争が起こるのか?と不安になったものだ。実際には何も起こらずにホッとした。
そんな中、北斗の拳の連載が始まった。主人公のケンシロウが北斗神拳という拳法を使い、指でついただけで悪党の敵が死んでしまうという画期的なマンガだった。
後に宿敵の南斗聖拳のシン、兄弟のジャギ、トキ、ラオウなど今の若い人でも知っているキャラクターが登場し、とても面白かった。
第1話はとてもよく覚えている
しかし私がとても衝撃を受けたワンシーンは、第1話。あとで重要な人物となる「リン」との出会いだ。
リンは悪党に目の前で両親を殺害され、以来言葉を失ってしまった。ケンシロウに出会い、秘孔を突かれ話せるようになった。
このシーンは友だちの間でも話題になった。学校に生えている葉っぱをとって、友だちの耳の後ろに持っていき、「大丈夫、動かないで」と言って葉っぱを折る。小さい音がピシッとなる。今思えばくだらないことだが、ケンシロウのマネをしたくてこんな遊びが流行った。
マンガではその後、北斗百裂拳なる技で敵を倒す。こんな非現実的な話だが、大予言のこともあるし、こんな時代もやがてやってくるかもという不安にも似た気持ちもあり、毎週ドキドキしながら読んだものだ。
敵を倒すだけではなく、医療としても使える拳法。こんな不思議な話に当時の子どもたちは夢中になった。
リンが言葉を話した!
話を戻すが、秘孔を突かれたリンは敵に捕らえられた。ケンシロウが助けに来ると、「ケーン!来ちゃダメー!」と叫ぶ。話せなかったリンが喋った。
何というか、不思議というか感動的というか、こういう雰囲気のマンガ、斬新で面白かった。
昔のジャンプは夢があった
あのドキドキ感、ワクワク感が懐かしい
子どもだったということもあるかもしれない。当時のジャンプには「夢」があった。毎週発売日が待ち遠しく、買ってきたジャンプを見る時はワクワクしながら読んだものだ。
久しぶりに今のジャンプを見ると、私だけかもしれないが、読む気になれない。絵に個性が感じられない。
これは私が年をとって、オヤジ目線から見てしまっているだけかも。今のジャンプファンには申し訳ない。
だが昔のジャンプは発行部数が500万部を超えていた。間違いなくあの頃の少年ジャンプは輝いていた。